2022年度 第71回 朝日広告賞<広告主参加・デジタル連携の部>受賞作品
2022年度 第71回
朝日広告賞<広告主参加・デジタル連携の部>受賞作品

2022年度第71回朝日広告賞「広告主参加・デジタル連携の部」グランプリは、テレビ朝日の「テッテレー!ドラえもん誕生日プレゼント」企画。9月3日のドラえもんの誕生日を目前にした8月30日付朝刊に全15段広告を掲載。ドラえもんへの誕生日プレゼントを紙面に置いて、または紙面に絵を描いて、それを写真に撮ってSNS にアップすると、SNSにドラえもんからお礼が届くという双方向のコミュニケーションを展開しました。同社ビジネスソリューション本部・コンテンツ編成局・アニメ・ゲーム事業部「ドラえもん」プロデューサーの八木征志氏、同部「ドラえもん」アシスタントプロデューサーの川崎栞氏に話を聞きました。

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テレビ朝日ビジネスソリューション本部・コンテンツ編成局・アニメ・ゲーム事業部「ドラえもん」プロデューサー:八木征志氏、
同部「ドラえもん」アシスタントプロデューサー:川崎栞氏

インタラクティブな広告を通じてファンとつながる

グランプリ受賞の感想は。

八木:数ある新聞広告の中から最高賞に選んでいただいたことに驚いています。先人たちが積み重ねてきたことのおかげでいただいた賞だと思っています。また、長く愛されているドラえもんには今も多くの方々がかかわっています。そのすべての方々に感謝しています。

広告を出稿した背景について。

八木:ドラえもんの誕生日を祝う企画はテレビシリーズが始まった頃から続いています。幼少期に出会うドラえもんにできるだけ長い期間親しんでいただけるよう、毎年趣向を凝らした企画を展開しています。メディアが多様化し、告知しなくても放送を見ていただける時代ではなくなっていることもあり、近年はインタラクティブな広告を通じてファンとつながれる施策に力を入れています。ちなみに前回は、ドラえもんの相棒であるのび太からの「ドラえもんサプライズ誕生日会」の招待状を2021年8月30日付朝日新聞朝刊に掲載。紙面にドラえもんへのメッセージなどを記入してSNSに投稿すると、のび太から「おへんじありがとう!」というメッセージが届くという企画を展開しました。今回はより小さなお子さんが参加できるように、そしてお子さんたちの想像力が膨らむように、紙面にプレゼントを置いたり絵を描いたりできる仕掛けにしました。

川崎:今回は9月3日のドラえもんの誕生日がちょうど放送日と重なりました。そこでお祝いムードを一層盛り上げるために、今企画と並行して「めざせ! 1億人の大合唱!!“ド”チャレンジ」企画を展開しました。スマートフォンなどで“ド”の声を録音していただき、公式アプリの応募フォームから送っていただくと、その声を集めて作ったドラえもんのバースデーソング「ハッピーラッキー・バースデー!」が放送当日のエンディング曲として流れるというもので、応募総数は18,701件にのぼりました。

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今回の新聞広告の制作に際して留意したことは。

八木:「テッテレー」の文字の対角線上にある手をドラえもんの手にする案もありましたが、より“参加性”が出るように、プレゼントを贈る人の手にしました。

川崎:紙面はあえてモノクロにし、ドラえもんのイラストや文字に塗り絵ができるようなデザインを意識しました。実際、クレヨンや色鉛筆でカラフルな色づけを楽しんでくださる方が多かったです。

出稿後の反響はいかがでしたか?

八木:SNSにアップされたプレゼント総数は約58,000、エンゲージメントスコアは約55万2,000、インプレッション数は約7億8,500万にのぼりました。プレゼントで圧倒的に多かったのは、やはりドラえもんの大好物であるどら焼きです。他にも、バースデーケーキを描いてくださったり、たくさんのハートマークを描いてくださったり、プロ顔負けの完成度で思い入れのあるキャラクターを描いてくださったりと、力作の数々を寄せてくださいました。

反響の多様性は、「紙」が起点だからこそ

審査会では、新聞とデジタルの連携が高く評価されました。

八木:SNSを活用した施策を考えるときには、同じような反響の広がりではなく、多様性のある反響の広がりになるように留意しています。新聞広告を起点にしているのは、そうした意味での拡散力に期待しているからです。今回もお子さんだけでなく幅広い年代からバラエティーに富む投稿がありました。

川崎:ドラえもんは出発が紙の漫画ということもあり、アナログを大事にしているコンテンツです。ですからドラえもん関連の広告やイベントを展開するときは、施策のすべてがデジタルにならないように気をつけています。中でも新聞はアナログの強みを生かせるメディア。手触りのある紙にクレヨンや色鉛筆で描いた絵には、デジタル端末などでは出せない魅力があります。今回も「紙」が起点だからこそ、反響の多様性につながったのだと思います。

コミュニケーションの課題は。

川崎:ドラえもんのデジタルの施策で難しいのは、メッセージの届け先の多くがお子さんであることです。スマートフォンを持っていないお子さんやSNSに触れていないお子さんも多く、親御さんの協力がなければ企画が成立しにくいところが毎回の課題です。「紙」による企画はお子さんが直接参加しやすいので、新聞広告を起点にしてデジタルで反響を広げる施策は変わらず続けていきたいと思っています。

八木:お子さんが大きくなってもドラえもんを卒業することなくずっと接点を持ち続けられるようなコミュニケーションを模索しています。デジタル技術の進化とともにできることは増えるはずで、たとえば投稿の内容によってSNSのリプライが変わるなど、より「個」に向けてメッセージを届けられるようなコミュニケーションの可能性なども探っていきたいです。

今後の広告展開について。

八木:ドラえもんはいつの時代も楽しめる普遍性のある作品です。その分、作品以外の施策においては、今の時代に合わせていく工夫が必要だと思っています。今年もドラえもんの誕生日を祝う企画を準備していますので、どうぞご期待ください。

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<広告主参加・デジタル連携の部>入賞作品一覧を見る
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