2016年度 第65回
朝日広告賞 入賞作品一覧Past2014
「一般公募の部」の応募総数は1054点。候補作品がおよそ30点に絞られた段階で中間講評を実施。各審査委員から注目した作品への感想や推薦理由が語られました。
全体としては、「今年は力作がそろった」という意見が多く、審査のポイントについては、「企業の社長から、『この広告を出そうと思うが、どう思う？』と言われた時に、止めるか、止めないか、という視点で選んだ」（小山薫堂氏）、「新聞メディアの特性をふまえたクリエーティブを評価したい。また、若い新聞読者にも共感してもらえるような『わかりやすさ』を重視した」（佐藤尚之氏）といった意見が上がりました。
審査の結果、マンダムによる課題を扱った高須博さんの作品が最高賞に輝きました。
朝日広告賞
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賞名 朝日広告賞 広告主 マンダム 課題 「青春に、ギャツビー」 受賞者 高須博 タイトル ワタシだって、オレらしくいたい。 段数 全30段（二連版） - 葛西薫氏
- 審査中、この作品の前を通るたびに惹かれ、去りがたいという気持ちになった。画面の奥にあるものの大きさが、見るほどに伝わってきた。写真の良さ、モデルの存在感の強さ、テクニックの上手さだけではない何かがあった。
- 小山薫堂氏
- LGBTの問題が社会的に注目されている今、この広告をきっかけにSNSなどで話題が広がっていく可能性を感じた。
- 佐々木宏氏
- 一般公募の部の審査では、「これだけのアイデアで、こんなカラーで30段が必要か？」と思うことが多い。しかし、この広告に関してはすばらしいと思った。LGBTについて想起させると同時に、女性が男性向けの商品を使ったらどうかという市場提案にもなっている。ギャッツビーという男くさいブランドの新しい側面を打ち出すことにも成功している。デザインもきれいで、ロゴが美しく見える。
- 佐藤尚之氏
- 新聞広告ではなく、渋谷にポスターを貼ったほうが強い表現かなと最初は思った。だが、新聞メディアが世の中の流れを変える力を持っているとすれば、LGBTを想起させるこの広告を紙上に展開する価値はあるだろう。
- 森本千絵氏
- 何かとてつもなく惹かれてしまう写真の力。女の子がギャッツビーを使って「オレらしく」というアプローチもいい。
準朝日広告賞
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賞名 準朝日広告賞 広告主 はとバス 課題 はとバス 受賞者 平瀬謙太朗、クリハラタカシ、豊田真之、木村優作 タイトル ［1］朝日新聞一周ツアー ［2］いそげ［3］集合は天声人語横［4］自己紹介［5］イチゴで会食？［6］車窓［7］ホンモノ［8］走る走る［9］41年ぶり［10］甲子園のはじまり［11］がんばれ受験生［12］幻の役職［13］大人気連載［14］明日の天気［15］是非またのご利用を… 段数 小型 シリーズ 15点シリーズ - 葛西薫氏
- 実際にこのビジュアルが新聞紙上に散りばめられたら、これほど楽しくてうれしい広告はないのでは。
- 児島令子氏
- 今までなかったアイデアとしても秀逸。ビジュアルもきれいでかわいい。
- 小山薫堂氏
- 全国紙ではなく、関東ローカルでやったらリアリティーがありそう。天声人語からテレビ欄までの「新聞一周ツアー」という発想が面白い。新聞をめくる楽しさが増す広告だと思う。
- 佐藤尚之氏
- 新聞にしかできない表現。名所を案内するはとバスの特徴がよく出ている。新聞をあまり読まない若者にとっては、わかりやすい紙面案内になっている。
- 森本千絵氏
- 新聞紙面を旅する行程にワクワクする。訴求の仕方が効果的。昔の参考書のイラストレーションのようで仕上がりもきれい。
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賞名 準朝日広告賞 広告主 キッコーマン 課題 企業広告「おいしい記憶をつくりたい。」 受賞者 飯田瑛美、永野祐子 タイトル ひとたらしの味 段数 全15段 - 小山薫堂氏
- 掲載後、このビジュアルをポスターにして社内に飾ったり、POPにしたりと、ツールとしての広がりが期待できそう。海外でも受けそうなビジュアル。15段で展開する価値がある。
- 佐藤尚之氏
- 新聞で力を発揮する表現だと思う。
- 前田知巳氏
- 渋い色合いが、「おいしい記憶をつくりたい。」というブランドスローガンにちゃんと着地している。「おいしそう」と思えた。
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賞名 準朝日広告賞 広告主 日比谷花壇 課題 企業広告 受賞者 高久麻里、金子杏菜 タイトル ［1］ゴッホ ［2］ゴーギャン［3］モネ 段数 ［1］全15段［2］全30段（二連版）［3］全15段 シリーズ 3点シリーズ - 川口清勝氏
- あの名画に花がないと、こんなに味気ないんですよ、ということをうまく伝えている。アイデアのレベルが高い。名画の実際のビジュアルはもっと複雑で、それを省略してシンボル化している。そうした工夫も含めて評価できる。
- 児島令子氏
- 花が描かれていないからこそ、花のある暮らしが想像できる。良質な日常を演出する「一つ上の花屋さん」というブランディングができていると思う。
- 小山薫堂氏
- クリエーティブはとても好きだが、展開のボリュームが広告主の規模に合っていない気がした。
- 佐藤尚之氏
- 「誰もが共有する知性」を前提としているが、ゴッホのひまわりを知らない若い学生もいるだろう。インテリにしか通じない可能性がある。
- 前田知巳氏
- 圧倒的に惹きつけるものがある。
- 森本千絵氏
- 新聞紙で花を包むことはよくある。この新聞広告で花を包んだら……と想像すると、すてきな風景だなと思う。
梶祐輔記念賞
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賞名 梶祐輔記念賞 広告主 マンダム 課題 「青春に、ギャツビー」 受賞者 西山恭、姉川伊織 タイトル 髪型おなじじゃ、顔で差がつく。 段数 全5段 - 佐々木宏氏
- 一人だけイケメンの坊主がいて、「髪型おなじじゃ、顔で差がつく。」というコピー。このアイデアがユニーク。5段という小さなスペースでの健闘を応援したくて、票を入れ続けた。
- 森本千絵氏
- 個人的にとても好きなコピーとビジュアル。サイズと企画の兼ね合いがちょうど良い。
入選
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賞名 入選 広告主 KCJ GROUP 課題 「キッザニア」のブランディング広告 受賞者 原央海、 橋本明花、村安美彩、白幡敦弘 タイトル ［1］小さくなったら、パイロットになりたいです。 ［2］小さくなったら、ファッションモデルになりたいです。 段数 ［1］［2］全30段（二連版） シリーズ 2点シリーズ - 葛西薫氏
- 写真、言葉、ともにうまくできている。見ていてうれしくなった。家族でキッザニアに行くきっかけになると思う。
- 佐々木宏氏
- アイデアがいい。「小さくなったら」という言い方は、初めて聞いた。コピーだけでも賞に値する。30段を使うのはぜいたくだが、男女それぞれのバージョンがあった方がいいので、2点シリーズの意味はある。
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賞名 入選 広告主 ベルマーク教育助成財団 課題 ベルマーク運動の意義を啓発する広告 受賞者 今井祐介 タイトル ［1］−［4］こんなところに、 段数 ［1］−［4］全5段 シリーズ 4点シリーズ - 川口清勝氏
- よくぞこの4点を見つけてこの段数に収めたと思う。すばらしい発見とテクニック。
- 児島令子氏
- 日本の誰もが知っている商品のアイコンを5段で表現したところがとてもいい。老若男女が共有できる、ベルマークにはぴったりの広告。
- 前田知巳氏
- 自然と目が留まった。謎解きの面白さもあった。
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賞名 入選 広告主 コールマンジャパン 課題 コールマンが推進するキャンプの良さを知ってもらう広告 受賞者 畠山祐介 タイトル ありがとう、新聞紙。 段数 全30段（二連版） - 小山薫堂氏
- 30段広告は、企業規模とのバランスを見る必要があると思う。この広告ならコールマン ジャパンが30段を打つ意味があると思った。新聞でしかできないクリエーティブ。
- 森本千絵氏
- 30段は現実的でないかもしれないが、「こういう広告があったらいい」という気持ちから生まれた企画だと思うので、評価したい。
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賞名 入選 広告主 トンボ鉛筆 課題 TOMBOWの文具のブランド広告 受賞者 葛原麻衣 タイトル ［1］どんな名画も始まりは：富嶽三十六景編 ［2］どんな名画も始まりは：モナリザ編［3］どんな名画も始まりは：叫び編 段数 ［1］全30段（二連版）［2］［3］全15段 シリーズ 3点シリーズ - 児島令子氏
- これ以上の線を入れたら描き過ぎだし、この程度の描写がないと何の絵かわからない。線の入れ方が絶妙。
- 小山薫堂氏
- 好きな作品だが、果たして30段を打つ意味があるのかな、という気がした。
- 副田高行氏
- 北斎は、こういう下書きはしていないだろう……と思ってしまった。
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賞名 入選 広告主 コールマンジャパン 課題 コールマンが推進するキャンプの良さを知ってもらう広告 受賞者 才川翔一朗、菊池佳奈、畑尾佐助 タイトル ［1］夜遊び。［2］火遊び。［3］刃物遊び。 段数 ［1］−［3］全15段 シリーズ 3点シリーズ - 佐藤尚之氏
- この広告は、父親が見て「子供にこういうことをさせたい」と思うだろうし、「刃物遊びさせたほうがいいよね」などと夫婦の会話も弾むだろう。子供が見て「こういうことをしてみたい」と言うかもしれない。テレビCMやネット広告では起こらない現象や効果が期待できそう。
- 前田知巳氏
- 版画調のビジュアルにパッと見の強さがある。「知らない遊びで、人は育つ。」という視点もいい。
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賞名 入選 広告主 イオンライフ 課題 イオンライフを知っていただくための広告 受賞者 井上信也、沢俊吾、木村亮 タイトル いつものところで。 段数 全30段（二連版） - 児島令子氏
- 人の死に直面したとき、バタバタしてしまい、どうしていいかわからなくなる。この広告は、いつも買い物しているイオンで、お葬式について相談したり選んだりできる安心感を伝えている。死は日常の延長であり、お歳暮やお中元を選ぶ感覚でお葬式も、という感じがとてもいい。
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賞名 入選 広告主 えひめ飲料 課題 ポンジュースと家族 受賞者 江波戸李生、藤沢祐未 タイトル スッポンポンジュース 段数 全30段（二連版） - 児島令子氏
- ポンジュースの課題に対する応募作品は、総じてオレンジ色を使った明るいビジュアルが多かった。この広告はもっと現実的で、ポンジュースがいちばんおいしく見えるようなシーンをうまく切り取っている。コピーもわかりやすくていい。
- 佐々木宏氏
- コピーが気に入った。ビジュアルの暗さもこのくらいで良かったと思う。ジュースのおいしさを感じる。ただ、30段は必要ない。
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賞名 入選 広告主 新潮社 課題 「新潮文庫」新しい読書体験の提案 受賞者 小島翔太、小暮菜月 タイトル 心の成長期はいつだろう。 段数 全30段（二連版） - 川口清勝氏
- 柱の傷というアイデアが面白い。
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賞名 入選 広告主 大塚製薬 課題 ポカリスエット 受賞者 佐藤翔吾、嶋澤嘉秀、深澤冠、木川真里、長野柊太郎、中里有貴 タイトル POCARI POINT 段数 全15段 - 葛西薫氏
- なぜか惹かれるものがあった。ポカリスエットが、「夏の気分」や「元気な気分」に連れて行ってくれる、というような印象をうまく与えている。
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賞名 入選 広告主 マンダム 課題 「青春に、ギャツビー」 受賞者 永井淳也、青木美菜代、實重かおり、山口央 タイトル 祝！坊主引退 段数 全30段（二連版） - 川口清勝氏
- 本気でスポーツをやっていた人は、「そこをネタにしないでよ」と違和感を持つかも。
- 前田知巳氏
- ちょっとかわいいかな、と思った。
小型広告賞
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賞名 小型広告賞 広告主 えひめ飲料 課題 ポンジュースと家族 受賞者 沖野愛 タイトル ［1］−［4］おかあさん編［5］−［8］うんどうかい編 段数 小型 シリーズ 8点シリーズ
審査委員賞
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賞名 審査委員賞（写真賞） 広告主 イオンライフ 課題 イオンライフを知っていただくための広告 受賞者 原央海、橋本明花、村安美彩、白幡敦弘 タイトル あぁ～、楽しかった。 段数 全30段（二連版） - 佐々木宏氏
- こう言って死ねるといいですよね、無駄なお金を使わないでイオンでお葬式をすればいいじゃないですか、というメッセージを楽しく伝えている。
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賞名 審査委員賞（コピー賞） 広告主 岩波書店 課題 岩波文庫創刊90年 受賞者 阿南文、山中博之、稲垣文貴、林佑樹 タイトル 私の人生は、私以外の人生でつくられる。 段数 全30段（二連版） -
賞名 審査委員賞（イラストレーション賞） 広告主 キッコーマン 課題 企業広告「おいしい記憶をつくりたい。」 受賞者 藤本大生、戸澤麻里子 タイトル Show you the happiness. 段数 全30段（二連版）